2023年11月30日

東京海上ホールディングス各社がCLS決済を導入

東京海上日動あんしん生命保険と日新火災海上保険がCLS決済を導入

CLSは、東京海上ホールディングスのグループ2社(東京海上日動あんしん生命保険、日新火災海上保険)がサードパーティとしてCLS決済の利用を開始したことをお知らせいたします。東京海上日動火災保険では昨年よりCLS決済を開始されていますので、今回、グループ3社が足並みを揃えたことになります。日本では多くの保険会社がCLS決済を利用されていますが、グループ会社が足並みを揃えるケースは本件が初めてとなります。

このように、本邦においても多くの機関投資家によるCLS決済導入が広がる等、アジア太平洋全域で市場参加者による外為市場の機能と安全性向上への取り組みが続いています。

CLS決済をグループ各社に導入して足並みを揃えることにより、そのメリットをさらに活用することが可能となり、グループ経営の効率化とコスト削減に大きな効果を発揮すると考えます。

CLS決済は、外為取引事務の効率化とリスク管理に大きなメリットがあります。電子プラットフォームやコンファ―メーションマッチングサービスと併用することで、約定から決済まで電子データによる業務処理が進み、手作業が介在しません。 そしてCLSで取引がマッチされることにより外為取引の事務処理は完了。あとはカストディアンの預金残高をメンテナンスするだけとなります。 決済がCLSに集約されることにより、必要な資金も大幅に削減されます。グロス決済において必要な、取引銀行との金額確認、預金残高調整、フェイル対応など、手間のかかる業務も最小限となります。

外為業務の高度化と効率化は、機関投資家に加え取引銀行もそのメリットを享受できます。したがって、東京外為市場全体の機能向上や効率性改善にも貢献が期待されます。 また機関投資家・取引銀行双方にとって、決済リスク削減も可能となります。こうした効果は、取引のプライシングや取引上限金額に反映されていく側面があります。 更に業務の効率性向上は、リモートワークの可能性も広げます。業務フローが電子化され、手作業が減ることで、より柔軟な業務体制構築が可能となります。

CLSのヘッド・オブ・クライアントエンゲージメント・アジアパシフィックである加藤明は以下のように述べています。 「東京海上ホールディングスは、グループ会社による利用により、CLS決済のメリットを最大限享受しています。今後こうした保険会社や事業法人が増えていくことで、セルサイド・バイサイドを通じた東京市場の機能・効率性が格段に向上していくことを期待しています。外為市場取引や国際分散投資が年々拡大する中、リスクの削減と事務効率化にCLSは一層貢献してまいります。」

CLS決済参加により、外為市場参加者はグローバル外為行動規範の原則35条への遵守が可能となります。多くのお客様によるグループベースでのCLS決済が促進されていくことにより、東京市場全体がより規範に沿った外為取引を行う場となっていくよう、CLSは、これからも活動して参ります。

原則35条 市場参加者は、実行可能な場合、payment-versus-payment (PVP) 決済を提供する決済サービスを使用することにより、決済リスクを取り除くべきである。PVP決済を使用しない場合、市場参加者は、 可能な限り決済リスクの規模及び期間を減らすべきである。
カウンターパーティの選択した決済方法が原因で、市場参加者が決済リスクを低減できない場合(例えば、カウンターパーティが PVP 取引システムに参加していない場合や決済債務のネッティングの使用に同意しない場合)、市場参加者は、カウンターパーティのエクスポージャー・リミットを引き下げること、カウンターパーティが外国為替決済方法を変更する動機を与えること、又はその他の適切な リスク低減 措置を講ずることを検討すべきである。

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